景表法違反処分が急減 昨年度4分の1以下に 消費者庁に移管 スタッフ手薄に

2010年05月25日 日本経済新聞より 商品や広告の不当表示や誇大表現など景品表示法違反で行政処分を受けた企業は2009年度は12社と、前年度の4分の1以下にとどまっていることが24日、分かった。業界を横断するような複数の企業にまたがる違反事例が少なかったことが直接の要因だが、担当が公正取引委員会から職員の少ない消費者庁に移り、調査に専念しにくくなったことも影響しているようだ。 消費者庁によると、景表法に基づき昨年度、公取委が排除命令を出したり、同庁が措置命令を出したりした企業は08年度より40件減った。処分企業は、07年度に過去最多の56件に達するなど増加傾向にあったが、昨年度は12件と急降下。01年度以来の水準となった。 景表法違反の恐れがあるとして、警告を受けた企業も前年度比3社減の6件にとどまり、過去5年間で最も少なかった。 昨年度は、二酸化炭素排出量が従来より大幅に減ったかのように「エコ冷蔵庫」を宣伝した日立製作所子会社への排除命令や、英語参考書の広告で「英語検定合格者の8割以上が使用」と根拠の不確かな表示をした旺文社への警告など、消費者の購買行動に営業が大きい事案が目立つ。 消費者庁は「これまで例がない案件に取り組んだ」(表示対策課)と説明するが、違反数は激減。古紙配合率を実際より高く表示したコピー用紙を販売した08年度の再生紙偽装問題(製紙8社に排除命令)のように「複数企業を同時に処分する案件がなかった」(同課)ためとみられる。 背景としてささやかれるのは人員不足。従来の担当官庁だった公取委では摘発に向けた専従職員は43人いたが、発足したばかりの消費者庁表示対策課は36人。しかも、消費者への啓発活動など他の業務も兼務しており、体制縮小は歴然。消費者庁幹部は「増員しないと、調査が進まなくなる」と漏らす。 公正な競争確保を目的とする景表法について、消費者庁への移管は「従来よりも消費者目線での調査を進めることが狙いの一つ」とされるが、明確な効果が出るのはまだ先のようだ。 ●景品表示法 品質や規格が実際よりも優良であると誤認させたり、商品のサービスや価格が実際より有利だと見せかける不当表示や商品に付ける景品類の最高額や総額を規制する。 これまで公正取引委員会が所管してきたが、昨年9月の消費者庁発足と同時に移管。公取委時代の排除命令に代わり、違反企業に再発防止を求める措置命令を出すほか、違反の恐れのある企業には警告や注意をしている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です