健康食品の表示厳格に 企業が効能を定期報告

2010年05月24日 日本経済新聞より 消費者庁は健康食品の表示制度の改善策を打ち出す。食品に「体脂肪を減らす」などの効能表示(特定保健用食品=特保)が認められた企業に、安全性や効き目に関する情報を集めさせ、定期的に同庁への報告を義務づける。実際の効能にずれが生じれば表示の変更を求める。詳細を詰めたうえで年内にも実施する。健康食品に対する消費者の信頼を高めるのが狙いだ。 昨年秋、低脂肪で健康によいとされ、特保の表示許可を得ていた花王の食用脂「エコナ」に安全性の問題がもちあがり(表示許可はその後失効して製造中止)、特保の表示制度への信認が揺らいだ。これを受け、消費者庁が有識者組織「健康食品の表示に関する検討会」をつくり、対応策を協議してきた。 検討会は報告書の原案で①特保の表示許可手続きの透明化②効能を正しく伝える表示方法③許可後に生じた新たな科学データの収集を拡充―といった観点から、制度の改善を求めている。報告書を基に、消費者庁は制度の見直しに着手する。 具体的には、表示の許可を得た食品を製造・販売する企業に対し、安全性や効き目にかかわる研究などの情報を収集し、消費者庁に定期的に報告することを義務づける。今も新事実が判明した場合には報告するよう求めているが、実際に情報が報告された例はなく、定期報告を義務化する。 集めたデータから、表示内容と実際の効き目にずれがあることが分かった場合には、消費者庁が表示内容の変更を企業に求める仕組みもつくる。現在は一度表示を許可した後は、安全性や効能が疑わしくなっても食品安全委員会の再審査などを経ないと取り消しできない。応急措置として表示の変更を命じることを可能にする。 申請手続きの際には、安全性や有効性を調べる治験の内容やサンプル数などをくわしく定め、結果にばらつきが出ないようにする。企業秘密に配慮しながらできる限り審査内容を公表し、表示制度への透明性を高める。 健康志向の高まりで健康食品市場は急成長を続けてきたが、ここ数年伸び率は低下傾向にある。2009年度は景気の低迷で割高な価格設定が敬遠されたのと、エコナシリーズの製造中止も重なり、売上高は初めて減少した。消費者庁は制度の見直しで消費者の「特保離れ」に歯止めをかけたい考えだ。 ●特定保健用食品 「コレステロールを下げる」「体脂肪を減らす」などの効能をうたう食品に、科学的根拠があるかどうかを国が認定する制度。「お墨付き」を受ければ許可マークを表示できる。食品安全委員会や消費者委員会が安全性や効き目を審査し、消費者庁が表示を許可する。

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