臨海部、マンション住民が急増 “農家のせがれ”交流に一役

2010年05月20日 日本経済新聞より 高層マンションが集まる東京臨海部で農業を核にコミュニティーを育てる取り組みが始まった。都会で働く農家出身者でつくる任意団体「セガレ」(児玉光史代表)が、農産物を販売するイベントや料理教室、農家見学ツアーを開催、マンション住人の参加を募り「ご近所づきあい」のきっかけにしてもらう。人口が急増し希薄になりがちな人間関係を取り持つ試みとして注目を集めそうだ。 セガレは2007年の設立。栃木県や青森県などの農家出身で20~30歳代のサラリーマンら約50人が参加している。自由が丘などで月に1~2回開く、実家で育てた農産物の販売イベントには毎回、数百人が訪れるなど盛況なことから、臨海部の住人や開発業者が住人同士の交流にも有効と着目。コミュニティー作りへの活用につながった。 第1弾として4月、有明地区のマンション住人らで構成する任意団体「有明を楽しむ会」と連携し、茨城県の農家を見学するバスツアーを開催。今夏には農産物販売を中心とした同地区で初の夏祭りも開く予定だ。出品者は出身地などを記した名札をつけ、買い物客が同郷の仲間を見つけられるようにする。 有明地区では04年ごろからマンション建設が加速。05年に600人程度だった人口は今年に入り3000人を超える一方「近所に友人が少ない人も多い」(有明を楽しむ会)。 子育て家庭を対象にしたイベントを通じ、住民同士が交流する企画も実施する。6月下旬、品川シーサイドにある高層マンションで、農産物販売に加えて、子どもに野菜のおいしさを伝える料理教室や、子ども向けのクイズ大会を盛り込んだイベントを開く。 臨海部の再開発が続く品川区では新規転入者や単身世帯が増えている。区は災害時の混乱や住民の孤立を避けるために町会やマンションの自治会への加入を促しているが、区内の加入率は約6割と低迷ぎみだ。 新築マンションは子育て世帯も多く「子ども同士が親しくなることで、親同士にも交流が生まれる」(セガレ)効果を期待する。同様のイベントを年数回開き、生産地を訪ねるツアーも開催する計画だ。

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